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「蚊に刺されたら50℃くらいのお湯をかければ毒は消える」は完全なデマッター=デマのツイート

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昨日私が仕事をしながら黒KKKについて調べていた一方で、日本中を駆け抜けたデマッター(デマツイート)があったようだ。

 

昨日夜11時半からのNHK news web の「つぶやきビッグデータ」より。これは、この日にツイッターでつぶやかれたワードを、楕円の大きさで表したものだ。大きな楕円ほど、たくさんツイートされた言葉である。

 

 

この、下の、赤い「50度」はなんやねんと。昨日暑かった西日本でも、さすがに気温は50℃はいっとらんやろうと。

 

なんと、この「50度」、蚊に刺されたら、(すぐに)50℃くらいのお湯をかけると蚊の毒が消えるというツイートが、ツイッターで大量に「お話し送りゲーム」されていたとのこと。

 

 

・・・なんかもう、現代人の基本的リテラシー(読み・書き・判断する能力)は、ここまで落ちているのかと、昨日の記事に続き、あきれてまたアゴが外れた。

 

たとえば、「まともなリテラシー」を持つ人は、以下のように理詰めで考える。これを「論理的に考える」と言う。

 

 

1 50℃のお湯は、風呂の湯より、かなり熱い。←想像してごらんよ。かなり「あちー!」だろ。。。

2 風呂の湯より熱い湯を、蚊に刺されたところにかけること自体が、「低温やけど」の原因となる。

  ↑こういう判断力って、普段、使い捨てカイロなどに注意書きとして書いてある

  「同じ場所に長時間貼らないで下さい。低温やけどになる危険性があります」

  という注意書きを普通に読んでいれば、それこそ「普通」に身につく。偏差値とか地頭(笑)とか、そういう問題ではない。

  「風呂の湯って、アホみたいに熱くても42,3℃だろ?アレより熱いのか??」と思える、「身体知」の次元の話だ。

 

ただ、そういう注意書きを、普段から全く読んでいない/読んでいても、今回の件と、頭の中で「つながらない」という現象があったからこそ、こういう壮大な「デマのお話し送りゲーム」が繰り広げられたわけだ。

「まともなリテラシー」を持つ人の発想に戻る。

 

3 ゆえに、50℃のお湯をかけて、「低温やけどになるリスク」と、「蚊の毒が消えるメリット」を、比べることになる。メリットの方が多いと思えば、自己判断で、50℃のお湯をかければいい。お湯は右翼も左翼も関係ないよ?(笑)「自己責任」だよ?わかったかい?←これもさ、「自己責任」って言うとすぐに発狂するバカサヨクがいるから書いている。中には大学教授までいる。真性のアホだろ。

 

 

例えば私は蚊にとって大好物な「エサ」のようで、子どもの頃は夜、蚊に刺され過ぎて、次の朝、ドラクエで言うところの「どろにんぎょう」、あるいはドラゴンボールで言うところの「魔人ブウ」状態になり、救急車で運ばれたことがあるくらいだ(笑)。まあ「敏感肌」というやつだ。今でも、蚊に刺されると、その場所は必ず水ぶくれになる。その部分を不注意などで破いてしまうと、その後2,3週間、その水ぶくれの場所から、固まらない飴色のドロドロした気持ち悪い液体が出続ける。いやだろ?

 

ただ、私ほど敏感肌でなくても、

 

4 蚊に刺されてかゆいところは、風呂に入っても、試しにちょっと熱いお湯をかけても、低温やけどでもっとかゆくなることはあれども、「毒」は消えないだろう。

 

と、今までの経験で判断できないほど、現代の日本人は、子どもの頃風呂に入って、いろいろな「実験」をやらなかった、ということなのか。だとしたら、頭が痛すぎる。

 

100歩ゆずって、それで毒が消えるとしても、上の「3」に書いたように、そこには低温やけどという「リスク」があるのだから、「リスク(risk,危険性)」と「ベネフィット(benefit, 利益)」の比較を一人一人でやった上で、慎重にやらなきゃなあ、と思うはずであろう。

逆に言えば、蚊に刺されてもそんなにかゆくならない、腫れもしなければ水ぶくれにもならない、という「強い皮膚」をお持ちの方は、そもそも50℃のお湯をかけるベネフィットがそんなにないだろうに(苦笑)。

 

だから、たとえ善意とは言え、

「ほら!こんな『新情報』があるよ!!」

と思えることがらを、それが「リスクとベネフィットの比較衡量(ひかくこうりょう、量を比べること)」が必要なことがらでもある限りは、

 

たとえそれが善意からのものであっても、ホイホイとお話し送りゲームをしたりはしない、というのが、私の考える「普通のリテラシーを持つ人間」の判断基準だと私は思うのだが、

 

どうやら、大方の日本人にとっては違うようだ。

 

さっきの番組で、医者が明確に否定した。

 

 

 

↑かゆみが「消えることはある」という日本語の読解・解釈も、今の大方の日本人にとっては、さぞかし難しいのだろう(苦笑)。

 

「消えることはある」という日本語は、

「消えないこともある」という意味を含む。わかる?(バカにしているんじゃなくて、本気で聞いてるんだよ?)

 

以上。リスクの方が、期待できるベネフィットよりはるかに高い。よって、お話し送りゲームをする際も、必ず

「やけどをするかも知れないから、くれぐれも自己判断でね!」

という「注意」をつけるのが、「真の善意」だと思うのだが、少なくとも私に回ってきたツイートには、そんな注意書きはなかった(苦笑)。言うまでもなく、私はそんなツイートは無視した(笑)。当たり前すぎるだろ。

 

 

 

 

こういうお話し送りゲームが平気でできる精神性って、「リスクとベネフィットの比較衡量」という、冷静な判断力より、

「こんな情報を伝えられるって、オレ/私って『いい人』!」

と、他者に思われたいという「他者からの承認願望」が優先しているってことだよな。

 

 

 

現代人諸君よ、そんなにさみしいのか?そんなに「危険を伴う」という想像力もないのか??それとも両方か??? 

 

 

教え子たちを見ていると、毎年「日本語力も想像力もこんなに貧困なのに、よくここまで無根拠に自分に自信が持てるよな」と、教え子ながら醒めざるを得ない子どもたちが死ぬほど多いことに気づかされるのだが、ああ、こりゃ大人が鏡になってるからだよな。

 

 

現代人諸君よ、もう少し孤独に耐えよ。自分の頭で、「AしたらBという結果になる」というシミュレーションをする練習をせよ。じゃないと、いつまで経っても「情報弱者」のままだぞ。

 

トコトンあきれた。昨日、この内容のツイートをRT(リツイート)した諸君、君たちは紛れもなく、アホだ。情報弱者だ。

そのまま「情報弱者」の道を進むか、自分でリテラシーを磨こうとするか、それも、諸君たちの「自己選択」だ。

 

ああ、フォローしている人数が少なくて良かった(笑)。

 


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