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ある先輩先生から、政治についての見解をしっかり聞いてみた(というか先輩が語り出した)

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ネットやマスゴミでの意見・記述ばかり見ていると、以下のような、複雑に混ざり合った見解を正直に聞かせてもらう機会が少ないこともあって、このinterviewも大変有益だった。

したがって、以下に紹介する先輩先生の政治的見解は、その矛盾点を突いてせせら笑おうなどの、ネガティブな意図は全くない。先輩先生自身がおっしゃり、私も「完全に同意します」と申し上げた、

 

・国民同士で冷静に、かつ率直に政治について語り合うこと

 

の重要性が、読者に伝われば大変うれしい。

「選挙→議席決定→与党決定→総理大臣決定→内閣陣容決定」

という一連の流れに少しでも「リアリティ」を感じるためには、面と向かって、お互いに一個の人間としての尊厳を尊重しながら語ることもきわめて重要だと感じた。

 

※なんかツイッター方面で、まだ「仮名のキミが実名の人ときちんとした議論などできると思ってるんですか?」と絡んでくる、弁護士のあの小倉センセイの「応援団」がいるんだが、ツイッター自体がそういう仕様なのだし、小倉センセイがそのことをいやがるのなら、「実名じゃない人とは議論しません」と宣言すれば良いと、先週当ブログで書いた。しつこいのう。この記事で、私は

「ツイッターでも実名で語り合うべきだ」

などと主張するつもりはさらさらない。仮名がイヤならツイッターやるな。あるいは本人が「自己ルール」を設定しろ。それだけだ。

 

 

以下、できるだけ再現。ちなみにお互いに「しらふ」である。講師室で淡々と「対話形式」で話が進んだ。酒が入っていたら逆にまずかったかも知れない。

 

 

先輩: 

(全然違う話からいきなり飛び)いや、日本は本当に変われない国だね。だってあれだけの事故を起こしながら、原発が止められないんだもの。

デモの人数だって、欧米じゃ数万人、数十万人集まってるらしいじゃない。日本では今じゃ数千人だもん。日本人も、「どうせ変わらないだろう」って思っているんだろうね。

(白河述懐:単に「反原発」と言いたいわけではなさそうだ。日本の自称「反原発勢力」の団結の弱さもリアルに批判しているので。)

 

先輩:

民主党政権に変わってボクは正直うれしかった。少しは何かが変わると思ったから。でも変わらないよね〜。浜岡原発だって、結局なんだかんだ言って止まらなかったでしょ?あの広域会議のプロセス、全然わからない。

 

白河:

民主党政権で、菅さんが浜岡原発を止めましたね。民主党政権で他の原発も止められれば良かったということですかね?(丁寧な態度で)

 

先輩:

いや、原発って、菅さんのせいじゃないでしょ?それ以前から原子力政策をずーっと進めていたのは誰かと?自民党政権と原子力ムラでしょ?

しかもさ、事故が起こって基準値が「年間1mSvから年間20mSv」に変わるとか、人間の許容量が変わるってこと?もうわけわからないよ。

 

白河:

IAEAにも怪しいところが確かにあるんですが、IAEAの基準としては、「通常時で年間被曝量1mSv以下が『理想的』だ」ということです。日本にも世界にもいる原発反対派が、「絶対安全なんだな?」という圧力をかけるから、原発を作る側としては、体に影響があるかどうかとは関係なく、とにかく「平常時はできるだけ低く」という基準を作ってしまったんです。それを日和ったという言い方もあるでしょうが、原発事故などの緊急時において、年間被曝線量を20mSvや100mSvに上げることにはまったく問題はありません。100mSv以下の被爆では、それ以外の要因と区別ができないほどの差異データしか出ないのですから。

 

先輩:

でもさ、そういう数字自体が信じられない、ってこともあるわけでしょ?それすらも世界の原子力推進派が作った数字なのかも知れないし。疑い出せば切りがない。

(白河述懐:ループモードに入ってきたな。こりゃループを丁寧に切らないと、と思う)

 

白河:

でも、それを言えば、あらゆる発電方法のリスクも信用できない、ということになりますよ。その中でなぜ原発だけを特別視しているのかというのは、昨年の原発事故のせいで、原発にだけ焦点が当てられているのと、これに乗じてとにかく反原発だ!と騒ぐ集団(あえて「サヨク」とは言わず)がいるわけで、そういう人々に煽られている人も多すぎる、という側面もあります。

 

先輩: (どうやら許容量については納得というか、「これ以上白河には反論できないな」という様子)

あとさ、核のゴミどうすんの?問題をドンドン先送りにしてるだけでしょ?これで将来に対する責任なんて果たせるの?

 

白河: 

3兆円でできます。あとは場所次第です。3兆円というのは、今年の1月〜6月の貿易赤字の額と同じなんです。場所さえ見つけられれば、最終処分場を作ることはできるんですよ。前もモンゴルに作る、という話がありましたでしょ?(しつこいが、丁寧に)

 

先輩: 

でもあれダメになったでしょ。今の日本じゃ見つからないよ!

 

白河:

いや、探す価値はありますよ。確かに日本は活断層だらけ、という主張もありますけど、比較的地層が安定している地域もあるはずです(地盤が安定していた女川原発には触れず)。あと、モンゴルの件がアウトになったのは、日本人やそれにたきつけられたモンゴルの人々が大騒ぎしたからで、丁寧に話をすれば、モンゴル以外でも最終処理場建設は可能かも知れません。だから、「見つからないよ!」と決めつけるのはやや感情的ではないかと(ここも丁寧に)。

 

先輩:

でもさ、ゴミを他国に回すってのは、モラルの点でだめでしょ。

 

白河:

モラルで言えば、例えば家庭ゴミを集めてどこかで焼却するのもモラルとしてはどうか、という話になりますし、どのような発電方法であっても、その発電方法のリスクなりその発電によるゴミを処理しなければならないわけですから、相互が納得できればそれでいいということにしかならないと思います。モラルと言えば、それこそ何をやっても「モラル的にダメ」とも言えるわけですから。

(白河述懐:いわゆる「モラル論」については、あらかじめ想定しておいてよかった。再生可能エネルギーにも、それぞれデメリットがあって、供給が難しくなる時のために、常に火力発電所をバックアップとして用意しておかなければならない。)

いわゆる再生可能エネルギーに関しても、例えば風力発電をしていて、風が吹かなくなったからすぐに火力発電所から送電、というわけには行かないんですよ。火力発電所をあらかじめ低出力で運転しておいて、要請があって時間をかけて出力を上げ、それでしばらくしてようやく送電ができるので、再生可能エネルギー中心にするからと言って、化石燃料に頼らなくて良い、というわけにはいきませんから、貿易赤字体質は今後かなり変わらないと思いますよ。(まだ「私は原発賛成」とは言わない。)

 

先輩:

貿易赤字も、それって化石燃料輸入増加だけのせいなの?他にも要因があるんじゃないの?

(白河述懐:鋭い。しかし想定内。)

 

白河:

確かに2008年に一度貿易赤字になったことがあるんですが、その後黒字に回復したんですよ。あと、慢性的な円高のせいで、国内産業の空洞化が生じていから、貿易赤字になりやすい、という傾向は確かにあります。ただ、平均(移動平均のことだが)で見ても、東日本大震災の後の化石燃料の輸入額の増加と、貿易赤字の増加の変化のパターンはかなり似ていますから、そういうデータをお見せしてもいいですよ。

(白河述懐:結局「見せて」とおっしゃらなかったのでお見せしなかったが、前回の記事で挙げたこのグラフである。ブログを書いていてよかった。)

先輩:

あと「変わらない」っていうのは、あの原発事故の後始末ね。結局「国民の税金」になってるわけでしょ?東京電力も政治家も誰も責任を取らない。ボクは、あれは東電の株主がすべきだと思うね。

 

白河:

(意味をわかりかねて)それって、通常は東電の株価が下がるってことなんですが、そういうことですか?

 

先輩:

いや、東電の株主に賠償させるってことだよ。そりゃ安く買って高く売り抜くために株を売買してるんだろうけど、こういう流れを維持してきた責任の大部分は、東電の株主にあるよ。

(白河述懐:ほう・・・「株主に弁償させるべき」という意見は初めて聞いた。法的にはムリなんだろうが。)

(さて、そろそろこちらの意見主張に行かんと、語り合ったことにならんなと思う。)

 

白河:

政治的意見なので人によってもちろん考え方が違っていてかまわないと思うんですが、私は国民の一人として、東電の賠償のために喜んで税金でも何でも払ってかまわないと思っているんですよ。なぜなら、戦後の日本のエネルギー供給において、原子力のおかげで電気代が安くて済んだ、という側面が確実にあるわけで、その恩恵を受けた以上は、事故があった場合の賠償も、そりゃ額にもよりますけど、ある程度は払うべきだと思っています。原発を止めたら確実に、化石燃料輸入増加と連動して貿易赤字が増えている。もし昔日本が原子力というエネルギーを採用しなかったら、特にオイルショック以降の経済発展はなかったと思います。

 

先輩:

そりゃ(白河)先生がMなんだよ〜(白河(笑)。いろんな意味で)。日本は技術力があったから、プラザ合意以降の円高を逆に利用して経済発展をしたんでしょ?日本にはそういう力もあるんだよ。

(白河述懐:オイオイ、「M」とか「S」とかでこの問題を語らないで頂きたいのだが。しかも全然反論になっていない。特にプラザ合意直後は「超円高不況!」などと、日本中が大騒ぎだったことをご存じないか、お忘れなのかはわからないが、追い込むのも忍びないので、苦笑を続ける。あのときは、日本企業がそれこそ鼻血が出なくなるまで、輸出品の価格低下に心血を注いだのだ。どんだけ円高になっても、「血のにじむような努力」さえすれば乗り切れる、という日本観は、控え目に言ってもちょっと非現実的である。)

 

先輩:

あとさ、電力が足りないって関電がさんざん煽っていて、結局夏が終わってみたら、関電が言うほど電気が足りないわけではなかった、ってこともあったでしょ?ああいうのを見て、原子力ムラってホントに変わらないって思うね。

(白河述懐:ここは止めなアカン)

 

白河:

いやー、あれは、関西の方々が必死に節電なさってた上での結果ですよね?関西の方が何も節電していなくて関電の試算がまちがっていた、というのならおっしゃる通りだと思いますが、そのご意見は、関西の方々の節電努力を無視なさっているものかと。(あくまでも丁寧に)

(さらに攻めてみる。ここで多少押し返さないと、「やっぱり原発ダメ」で凝り固まってしまうだろうから。)

あと、先週の月曜日、電力不足で東京電力が50Hz帯の他の4電力会社から、緊急に100万kwの電力融通を受けたってことをご存じですか?天気予報が外れたってのもあるんですが、そこで緊急に火力発電所を稼働させても間に合わないんですよ。そもそも火力発電所の多くが老朽化しており、それも大問題なんですが。

 

先輩:

いや、だからさ、その話もウソかも知れないでしょ?あらゆるものが信じられないってのがまずいんだよね。

(白河述懐:キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!! 待ってましたホームランコース!(笑))

 

白河:

いえ、電力会社は上場企業ですから、会計結果について虚偽の報告などをするとかなりまずいことになりますよ。未来のことについては予測にすぎない側面もありますから、おっしゃる通り「ウソ」の可能性もあるのですが、過ぎ去ったことに関しては、少なくとも株主総会などで質問され、それに対して虚偽の答弁をすることはできません。ですから先週のこの話も、公式な形で聞いてみればいいんですよ。

 

(この発言、かなり先輩には効いたらしい。やはり、丁寧にでも、言ってみるものである。)

 

先輩:

なるほど。過去のことに関してはある程度検証可能ってことだね。

(白河述懐:そうそう、「何でもウソ」じゃ何の話も進まないんですよ先輩!!)

 

 

※ このあと、デフレの話も出た。

 

先輩:

あとさ、誰も日銀に文句言わないでしょ?結局日銀総裁の方針のまま、デフレは直らない、円高は直らないと。いくら日銀の独立性と言ったって、総理大臣がそこに意見を言えないってのはおかしいでしょ?

(白河述懐:むむむ・・・安倍発言をご存じないらしい)

 

白河:

いえ、2週間ほど前に安倍さんが日銀に圧力をかけるような発言をして、その後きっちり株高、円安の傾向に入っていますよ。市場は、安倍さんの方針が正しい、と判断しているってことだと思います。

 

先輩:

あーそうなんだ。(白河)先生みたいに、いろいろ知識を仕入れて考えている人はいいんだけどさ、問題は国民一人一人だよね・・・。「変われない」っていうのは、国民一人一人が、「結局今までのままでいい」って思ってるってことだよね。それが情けないんだよ。だから中国が日本を舐めて尖閣諸島に関して挑発したりするんでしょ?あれって、日本国民が一人一人、日本のシステムを考えて、おかしいところは変えていくって姿勢がないところを見透かされているんだよ。

(白河述懐:なるほど・・・単に「結論としての反原発」なのではなく、「必要に応じてシステムを変えていくこと」が、さらに上位の価値観としてこの先生の中には存在しているわけか。この発言の後半って、いわゆる「サヨク」的な思想とは「真逆」だからねえ。対面interviewにはこういう発見があるわけか、と改めて納得。この先輩にも心の中で感謝。)

白河:

はい。私もまったくその通りだと思います。(まあ程度の問題もあろうが)

 

※ ただ、その後、すごいところへ話が(笑)

 

先輩:

だからさ、日本は共和制にすべきなんだよ。あの一族の支配を変えられないってことが、日本が変われない国だっていうことの象徴だね!

 

 

(白河の心の中:

            スポポポポポポーン!!!
      。     。
        。  。 。 。 ゚
       。  。゚。゜。 ゚。 。
      /  // / /
     ( Д ) Д)Д))

おい、なんでそうなんねん!!いきなりビックリすること言わんでくれ!!(苦笑))

 

※ 白河、必死に心を建て直す。

 

白河:

それって、最高権力者を直接選挙で選んで、一定期間は固定!そいつがリーダーシップを持ってがっつりシステムを変えろっていうことですか?

 

先輩:

いやーでもなー・・・変なのがリーダーシップ持ってもダメだからなー・・・。

(白河述懐:だったら「共和制にしろ」ってどういうことやねん!!意図がわからん・・・大学時代の洗脳の結果がまだ残ってるとか??

最大限に好意的に解釈すると、これも、「共和制に変える」という「変えること」が重要だと認識しているのかも知れない。

そんなんで国体を変えられてはたまったものではないが、もちろん言わない。)

 

※ その後、「石原慎太郎の悪口」に進むが、私もこのくらいで疲れてきた。

 

 

まあいろいろ話して1時間ちょっとか。このお話、私が仲良くさせて頂いている、別の○○先生に、飲み会でいつも語っている話とのこと。その○○先生は、「あ、またいつもの話か」と察して、校舎スタッフと別の話をしていた。

 

で、再来週に、この先輩も○○先生も含めて、7,8人で飲み会をすることになったのだが・・・同じネタが出てきたら、どういう立ち位置と作戦で行くべきか。酒が入るとどうなるのだろう、あの先輩。。。

 

 

いやー久しぶりにブログらしい!!(笑) 文字数は相変わらず多いけどw まあ、こういう系の話を、選挙までにお互い、少しでもしようではありませんか、ということだ。相手の意見が変わらなくてもそれはあくまでも「結果」であって、「何を、なぜ、どのように考えているのか」をまず「聞いてみる」のが、対面ならではの重要性だなと思う。あとは、上のような「具体的なデータ」を覚えておくのが効果的だ、ということも再確認した。

(しつこいが、ネットはSNSも含めて、ちゃうで)

 

「何も信じられないよ」に対して

「そんなことないよ」

では、お互いの「言い合い」で終わっちゃうので、データを「反証」として使うことが効果的、ということである。

 

 


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