眠くなったら寝ようと思っていたが、途中でネット麻雀(笑)をしたりと、ダラダラしながら観ていたら結局終了時刻になってしまった。それほど、実質的な議論はないに等しい朝生と言って良かっただろう。
しかし、私から見ると、タイトルのように、いくつかの収穫もあったので、ここにアーカイブしておく。
<朝まで生テレビ!2012年6月 「激論!ド〜する?消費税増税政局と日本政治」>
パネリスト 番組進行: 渡辺 宜嗣(テレビ朝日アナウンサー)、村上 祐子(テレビ朝日アナウンサー) 司会: 田原 総一朗 パネリスト:長妻昭(民主党・衆議院議員)
松野頼久(民主党・衆議院議員)
森ゆうこ(民主党・参議院議員)
山本一太(自民党・参議院議員)
西田まこと(公明党・参議院議員)
浅尾慶一郎(みんなの党・衆議院議員)
笠井亮(日本共産党・衆議院議員)
福島みずほ(社民党党首・参議院議員)
上杉隆(自由報道協会代表、(株)NO BORDER代表)
荻上チキ(「シノドスジャーナル」編集長、評論家)
長谷川幸洋(東京新聞・中日新聞論説副主幹)
民主党だけから3人も呼んだのは、
・長妻・・・消費税増税法案に賛成もし、離党もしない人代表
・松野・・・消費税増税法案に反対し、離党はしない人代表
・森・・・消費税増税法案に反対し、小沢一派として離党するぞするぞと言っている人代表
という位置づけの違いとのこと。そうとはいえ、民主党から3人出てきているのだから、自民党からも特に衆議院から、あと一人は出してほしかった。もちろん参議院でもかまわないが。そういえば西田昌司議員を朝生に出さないのは、プロデューサーの意向なのかねえ??
番組の前半は「消費税どうすんの?上げるの?」という角度からの田原からのツッコミだったが、とにかくもうグダグダ。特に共産党笠井の、
「大企業が社会的責任を果たして雇用を増やせば、景気は上向くんです!」
には腹がよじれるほど笑った。
日本共産党の描く「理想社会」とやらでは、雇用さえ増やせば、仕事も比例して増えるという「想定」なのだろうが、残念ながら「現実社会」では、雇用をいくら増やしても、「需要」が増えない限り、仕事は増えない。かくして、雇用だけを増やした企業は倒産していく。
そんなこともわからないのが、日本共産党クオリティである。。。。
しかも福島みずほまでがそれに同調する始末。みずほは社民党党首のやりすぎ。弱小政党で参議院比例第一位というぬるま湯でずーっと10年以上もやってきたもんだから、完全に「政策眼」がなまくらになっている。
番組の中盤では、「小沢一郎どうするの?」になると、小沢一派代表として森ゆうこが
「いろいろ案はあります。言えませんけど。」
を連発。
あの・・・ホントに抜ける気があるのなら、そんな思わせぶりなことは普通は言わないよ。だって、抜けるよって言ってから抜ける方が、相手方に準備や根回しができる余裕を与える分だけ、抜ける側のパワーが弱くなるんだから。
そんなわけで、森ゆうこはこの番組で「抜ける抜ける詐欺」をしているようにしか見えなかった。抜けるぞと脅して、抜けない代わりに小沢一派の要求を少しでも呑ませる。その呑ませた要求があるラインを越えれば抜けないという、まあありがちな罠である。
終盤では自民党の山本一太へ集中砲火。田原曰く、
「自民党は民主党の言いなりになっただけだろ!自分たちの要求を通すのなら、谷垣総理、岡田副総理にさせろ!ってなぜ言わないんだ!」
と激しく。
・・・いや、意味がわかりません。
としばらく考えて気づいた。ああ、こういうツッコミができる前提としては、「自民も公明も増税したがっている」というpresumption(判断をする前の偏見)があるということなのだなと。
何をバカなことを(笑)。だったら、この前の三党合意で、こんな文書取り交わしたりしないでしょ。
「その時の政権」が自民あるいは「自民+公明+その他」というもくろみがあるからこそ、この文言を三党合意文書に明記したわけで(詳しくはこちらの記事を)、 自民は以前から、「デフレを脱却してからの増税」と繰り返している。一昨年の参議院選挙で、それを訴えて民主党に勝ったわけだ。
しかし、この朝生のスタジオ内では、
・「自民も公明も、民主と一緒になって財務省に洗脳され、『増税翼賛会』になろうとしている!!」
という言葉のオンパレードであった。
・・・「そう思いたい」ということと、「事実としてそうである」ということの間には、何万光年もの開きがあるということが、朝生の出演者にはわからないらしい。特にウソツキ隆さんには。
彼が口を開くたび、
「消費税増税に反対すると、国税庁から新聞社へ査察が入る」だの、
「財務省は新聞だけ消費税増税対象に含めないという『アメ』をぶら下げて新聞に増税賛成の社説を書かせている」だの、
とにかく陰謀論しか出てこなかった。これでよく「自由報道協会代表」なんぞを務められるものだ(苦笑)。
上記の発言がもし正しいのなら、なぜ上杉は、「アンタッチャブルな真実」である上のような発言をし続けていることにより、あの植草教授のように罪を「でっち上げられて(彼らの言い分だが)」逮捕されたりしないのだろうか。不思議でならない。(ちなみに、植草元教授は、そういう発言はしていなかったのだが。。。当局が「冤罪」をでっち上げて逮捕する動機がそもそもない。これが、植草教授逮捕が陰謀論によるものではない最大の根拠である。)
また、国税庁から査察が入ったことを根拠に、「この組織は正義の行動をしている!」と上杉が意味づけてくれるのだったら、夕方のニュースでよく特集している、
「脱税者への取り立てシーン」
などで、脱税者をさも悪人のように描いていること自体が大いなる世論誘導だろうに(笑)。上杉にとっては、脱税で国税に入られることは、「正義の行動をしている証拠」なのだから(笑)。
まあしかし、田原も含めて、スタジオのパネリストのほとんどは、自民・公明・民主が一緒になって増税したいと思いたがっているのだろう。
ただ、スタジオがそういう空気になったのは、特に公明代表がすっとぼけた発言を連発したことにも責任があろう。このバカである。
<参議院議員 西田まこと>
途中でデフレの話が出たが、西田曰く、
「デフレには為替も影響しているんです!なぜ人民元やウォンを持ち合ったりしないんですか!そういう工夫をすれば、円安になり、ひいてはデフレも治るんです!!」
・・・これで「党広報局長」なのだからあきれてアゴが外れる。「人民元」や「ウォン」を持ち合えば、ただ円が「不安定」になるだけで、「安定的に安くなる」わけではないということがわからないからバカなのである。そもそもデフレという現象は、国内経済において、
供給 >> 需要
となっている状態であり、需要が少ないところに、ただ円の価値を不安定化させれば、人々はますます消費を控え、いざというときのために貯蓄に走らざるを得ない。つまり、円の不安定化は、デフレ克服に何の好影響も与えないのだ。
すなわち、デフレの方が「原因」で、円高は「結果」なのである。日本の総需要が低すぎるから、1円の価値が時とともにどうしても高くなる。それを世界の人が知れば、資産を円の形で持とうとする。取引を円建てで行おうとする。だから「円高」になっているのだ。
だから、円高を是正するためには、総需要を喚起し、1円の価値を少しずつ下げるような政策をしなければならない。その意味で、自民党が提案している、国土強靱化のための公共事業は、総需要を喚起するという意味で正しいのだ。
このバカ、単に、日本に人民元や韓国ウォンを持たせたいだけだろ。こういうのが「最悪のバカ」である。公明党は、こんなバカを「広報局長」にしている、泣くほどバカな政党なのだ、ということがよーくわかった(笑)。
というわけで、自民党を叩いてさえいれば幸せな朝生だったとさ。念のため、一昨日の記事にも貼った、デフレのグラフをもう一回貼っておこう。自公政権時にデフレを脱却しつつあったのである、という事実は、いくら強調しても強調しすぎることはないであろうから。
ソースはこちら。